今日モワレ空ニアリ
「教官!あっあれは!!!」
「そうだ。あれがある限り日本は大丈夫だ。」

昭和19年半ば、海軍予備学生として旅順での基礎訓練を終え、晴れて飛行術課に配
属となった私は、今日も空にあった。

「…だがな、日高。」
「はっ!東郷教官殿!」
「日本は敗ける…」
「えっ、ええっ!?」

いつもの課業のつもりが、霞ヶ浦上空を反転後、突然の「針路そのまま西南へ」。
途中、名航にて給油後も指示のままに沿岸をたどるようにして、呉上空に出たの
だった。

「…だから何としても生き抜け」
「しっしかし…」
「あれを胸に刻みつけて必ず生きろ。これは命令だ!」

私が鹿屋への転属命令を受けたのは、それから間もない昭和20年初春であった。
(登場人物は架空です。)


・実写部門
・作品名 「今日モワレ空にアリ」
・作者名  眼下の敵@千住宿
・使用キット
 LS 1/72 九三中練、ニチモ30cm大和、食玩1/700槙
・年末に島尾敏雄の「魚雷艇学生」を読み、何だかいてもたってもいられなくなり、
 急遽でっちあげてみました。