“幻の空挺作戦”
軍事研究家筋でもあまり知られていないことだが、1950年代後期に米軍が試作し
た軽空挺戦車T−92の一部は限定制式扱いとなり、「XM92
“Para-Destroyer”」という名称で当時大規模な改編を行っていた第101空挺師団
に実験配備され、特殊戦術部隊として在日米軍の管轄下に置かれた。
その数は15両とも18両とも言われ、1個独立重火力支援車両中隊を編成して運営
されたという記録が残っている。
実戦への投入は極東地域における国籍不明の機甲部隊の国境線侵犯事件、所謂「第二
次38度線攻防戦」で、1個小隊5両が大型ヘリによって空輸され、不審な行動をと
る国籍不明部隊の司令部中隊を夜明けとともに急襲、指揮官を捕虜にして休戦を早め
るのに貢献したという。
XM92はその後も長く、そして秘かに運用されていたが、大量生産が行われなかっ
たため補修部品等の不足に悩み、部隊内での「共食い」を繰り返して数を減らした
後、1990年代末期に除籍処分とされた。
主要コンポーネンツにはM41ウォーカーブルドッグ軽戦車のものが流用されていた
こともあり、同車からの部品流用も行われ、保守に注意が払われたが、M41自体が
早々に同盟関係にある陸上自衛隊から除籍されたため、その方面からの部品調達も不
可能となり、除籍を早めたと言われる。陸上自衛隊にはまとまった数のM41が配備
されていたが、現在では残存・保存車両すら皆無であるのには、在日米軍のXM92
用に部品を供出したからという理由もあったようだ。
在日米軍で最後に残った2両は、意外にも横田基地の倉庫の片隅で今でもひっそりと
眠っていると言われている。

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【Comment】
使用キットは田宮1/50ポケットミュージアムシリーズ「T−92デストロイヤー」
で、各種工作材料等で簡単なディテールアップを試みたものです。
2003年度は仕事等の都合で模型趣味を楽しむ余裕がなく、唯一人前に出せる完成
品となったこのデストロイヤーで画像をこしらえてみました。
背景は数年前の総火演で撮影した写真を元にしてます。

★TAC Miyamoto★