北海の亡霊
投稿サンプルでしたが・・・やっぱ作品としてエントリーします(^_^;)
ストーリーはサンプル(すでに削除^^;)の続きです。
暗いネタ、しかも長文で申し訳ないす・・・m(__)m
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「こここ、これはっ!」

2枚目の写真。
信濃が今まさに空襲を受けている瞬間である。いや、これは信濃ではな
い。信濃らしき空母と言ったほうが正しい。
しかも空襲中にもかかわらず、艦載機が噴煙を吐いて離艦している。

・・・ロケット推進らしき艦載機

タミ船の推測は間違っていた。
1枚目の写真を分析したとき、タミ船は艦載機を『呂式震電』と推測し
た。しかし、日本海軍によって計画されていた呂式震電はジェットエン
ジン推進なのである。2枚目に写っている艦載機が呂式震電である可能
性は低い。

「あなたはいったい・・・こ、これは何なんです」

老人は肩を落としたまま静かに口を開いた。

「・・・当時私は『秋水』のテストパイロットのひとりだった」

昭和20年7月、日本海軍はイ−400を使った「ウルシー特攻作戦」
と同時に、航空母艦による「ホワイトハウス特攻作戦」を準備していた。
絶望的な戦局を打開するための最後の手段として計画されたのだという。
この作戦のため、海軍は信濃と同時期に朝鮮半島で極秘に建造された
『大和型四番艦』を呉に回航し、当時試験飛行を終えたばかりの増加試
作型『秋水』を搭載した。
横須賀で建造中の大和型四番艦とされた空母は囮だったのである。

「その作戦は実行されたのですか」

「実行された。仲間たちは名もない空母でベーリング海峡目指して出撃
 していった。
 私は直前の演習で着艦に失敗し・・・行けなかった。」

計画では、大和型四番艦はベーリング海峡を隠密裏に突破し、北極海を
通過後グリーンランド沖を南下する予定であった。
そこで情報を収集し、最終的な攻撃目標をロンドンかワシントンに決定
する方針であったらしい。

しかし間もなく終戦、大和型四番艦は消息を絶った。

「それ以来、私は仲間の消息を知るために米軍とソ連軍の記録を調べ続
 けた。どこかで投降したんじゃなかろうか、それとも、ソ連軍と交戦
 したんじゃないだろうかと・・・
 昨年、アメリカの国立公文書館で見つけたのがこの写真なんじゃ。
 恐らくソ連との微妙な関係の中で記録から抹殺されたんじゃろう。」

タミ船は3枚目の写真を見つめた。
誰に知られることもなく、日本を守り抜くべくたった1隻で北極海へ出
撃していった大和型四番艦。彼らは終戦を知っているのだろうか。秋水
のパイロットたちは奮戦できただろうか、そして大和型四番艦は・・・
左舷では巨大な破孔の中に絶望的な火災が発生しているのが見える。も
うそれほど持たないだろう。

「この写真・・・このあとはどうなったのですか」

「この空母には秋水の燃料である過酸化水素と水化ヒドラジンが大量に
 積み込まれている。この火災では大爆発は避けられん。
 あとはわかるじゃろう、もう1枚写真があるが・・・君に見てもらう
 ような写真じゃない。」

写真を老人に返すとき、タミ船は写真の端に微かな走り書きを見つけた。

      『7 Dec.1945 In the offing in Greenland』


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●製作 Gamo

●部門 CG合成部門

●使用キット
 タミヤ1/700信濃とニチモ1/700武蔵を合体、ラジコン改造

●元画像
 第1回水物オフ会「ひょうたん池」での撮影画像