愛知19試夜間戦闘機「痛風」
昭和19年夏、名古屋
 B29の爆撃にさらされた愛知航空機の「電光」試作機は焼失してしまう。
 艦爆屋愛知の戦闘機開発の夢は潰えたかに思えた。しかし同時に愛知は液冷
発動機を戦闘機に搭載する夢を忘れられずにいた。
 そんな中、ペナンから届いた図面1式、He?219ウーフーである。
「熱田」は元々He?219に搭載のDB603のライセンス生産版である。
He?219になら設計変更をせずに搭載できる。


昭和19年秋、伊保原
 「熱田三二型」搭載のHe?219試作機は、相変わらず「熱田」の壁に突
き当たっていた。国産の排気過給器では、思うように回ってくれない。
 しかし、愛知には予てから暖めていた秘策があった。
「水メタノール噴射装置」を改良した「水エタノール噴射装置」を搭載した。
出力1850馬力、高度1万メートルでも息継ぎ無し、御本家DB603をも
凌駕する「熱田三五型」の完成である。
海軍はこの戦闘機を正式に「痛風」と命名、増加試作を命じた。


昭和19年冬、武蔵小杉
 追われるように、「痛風」は実戦配備される。
 当然か、必然か、「水エタノール噴射装置」にも問題は発生した。快調に回
っている発動機が突然、焼き付きを起す事件が数件発生した。原因は使用して
いる「発泡式エタノール」に含まれている「プリン体」にあった。
 今更、エタノール抜きなんて絶対に出来ない。応急策として「プリン体」含
有量の少ない「蒸留式エタノール」「熱燗式エタノール」に変更したが搭乗員
達は「発泡式エタノール」を好んでいた。

「今は冬だから熱燗式でいいけど、夏は発泡式に限るぜぃ」
「蒸留式はどうもあの匂いが...」
「せめて最初の1000mだけでも発泡式で駄目ですか?」
搭乗員達の愚痴は絶えない。


●製作 たばさ
●部門 実写部門
●使用キット ドラゴン1/72 He219ウーフー